知っておいて欲しい会食恐怖症という病と、治すためのマインド

2022年10月3日

会食恐怖症とは

今日は私が10年間ほど患っていた 会食恐怖症 という病気についてお話します。

会食恐怖症とはその名の通り人とご飯を食べるのが怖いと感じてしまう病気です。


健常な方からすると信じられないかもしれませんが、

  • 人とご飯を食べるというだけで
  • たとえ相手が誰であっても

発作が起きる可能性があります。


私はもっとひどいもので、 外でご飯を食べるという行為そのもの に恐怖を感じていました。

  • ご飯を食べるという生きる上で必須の行動ができない
  • 会食をするという社会的な生活を送る上で必須の行動ができない

この苦しみは当事者にしかわからないかもしれませんが、端的に言えば 地獄 です。

発作が起きた時、どんな症状が出るのかをご説明していきますね。

会食恐怖症の症状

症状は個人個人で異なるでしょうが、大体の場合は以下のような症状が出ると思っています。

  • 吐き気
  • 手足の震え
  • めまい
  • 冷や汗
  • 動悸
  • 喉が閉まる感覚
  • 空気を飲み続けることによる吐き気(呑気症)
  • 喋ることが困難になる

信じられないでしょう? ご飯を食べに来ているんですよ?

本来会食というのは楽しいひと時のはずなんですが、会食恐怖症を持っている身からすると 本当に苦しいんです

しかし、不思議なことに会食が終わってお店から出た後には大体ケロッとしてます。

本当に気難しい症状ですね。


発作の一例(私の場合)

「そろそろご飯時だね」など、何か食べようか?というニュアンスの事を言われた瞬間から発作は起きます。

(ご飯を 食べなければいけない )という不安が頭をもたげてきます。


続けざまの「何食べようか?」という言葉が突き刺さります。

だって 何を食べたいかなんてわかない から。

(何なら食べられるんだろう? いや、お腹空いてるのか? お腹が空くってなんだ??)

そんな哲学的な思考と同時に吐き気と震えが徐々に出てきます。


食べられるのか? 喋れるのか? 一口も食べられなかったら? 急に吐いたら?

相手に申し訳ない 相手を楽しませられない 申し訳ない 一刻も早く逃げたい


そんなマイナス思考がぐるぐるし始めます。苦しい。

それでもとにかく覚悟を決めて、どこかのお店に入るしかありません。


それはそうですよね。相手はお腹が空いている。しかも あなたとご飯を食べたい と思っている。至極まっとうなお話です。

お腹が空いたらどこかのお店に入る。当たり前なんですよね、実は。


さぁ、相手はお腹が空いています。「いやいや、何も食べずに遊ぼう?」なんてことにはなりません。

当然どこかのお店に入ることになります。

メニューを見ても吐き気が増幅するだけです。 この場を凌ぐには 何を頼めば良いのかを考えます。

“食べたいもの"なんて考えてはいません。"食べられそうなものを考えるんです。

食べられそうなものが見つかったら、勇気を振り絞って注文します。


いざ注文が終わると症状は 急速に悪化 します。

それはそうです。 料理が来てしまう んですから。

水を飲んでも吐き気はおさまりません。震えも止まりません。

そのうち唾液の飲みすぎで水も飲めなくなってきます。

吐き気対策のツボ(合谷、労宮、内関、関衝)を押しても気休めにもなりません。

料理を待っている時間が、苦しい。無理だ。食べられるわけがない。

吐き気で喋れない空気が、苦しい。無理だ。喋れない事、絶対不思議がられてる。


そんな気持ちと格闘した結果、大抵の場合 料理が来る前にトイレにこもる ことになるのです。


私の場合嘔吐恐怖もありますし、吐くことが出来ないのでただただ収まるのを祈る他ありません。


大体こんな感じ。


会食恐怖を発症してから10年は経ちます。


オムライスを頼んで丸ごと友人にあげてトイレにこもったこと

あっさりしたラーメンを頼んだのに不味そうに少しすすっただけで愛想笑いしながら友人にあげたこと


今でも鮮明に覚えています。


会食恐怖症は幻なんじゃないか

私は幼少期に給食を残さず食べるように強要されたことはありません。

親にしつけられたこともないです。なのでトラウマとかではないので、

トラウマが要因の方には当てはまらないのかもしれませんが

ひとつ気付いたことがあります。


浮かんでくる不安、思考にただの1つも 起きている事実がないということです。

先ほどの

“食べられるのか 喋れるのか 一口も食べられなかったら 急に吐いたら

相手に申し訳ない 相手を楽しませられない 申し訳ない 一刻も早く逃げたい"


この思考ですが、本当に考えていたことです。

いつも私の脳内はこんな思考で埋め尽くされています。


でもね、


食べられるかどうかは、まだわからない

喋れるかどうかは、まだわからない

一口も食べられないのかは、まだわからない

急に吐くかは、まだわからない


全部未来のことですから。まだお店に入ってすらいないのに考えることじゃないですよね。


そしてそのまだ確定していない未来のことを勝手に予想し、悩み、不安になり

その結果、だんだん苦しくなってきた。


苦しい。つらい。予想したことが現実になるに違いない。


その思考を前提に答えを導き出しています。

「これは今日も無理そうだ。相手には申し訳ないけど、やめよう…」


見事に事実がひとつもありません。一体何と戦っているんでしょうか?

あなたが「食べられないに決まってる」と考え、「多分大変なことになる」と考え、「相手に申し訳ないことになる」と考えることで、 本当には起こっていない はずなのに実際に苦しくなっています。


このように、何が会食恐怖症を引き起こしているのか。それは 思考 です。

もっと言えば に生きていない私が、あなたが、会食恐怖症という幻の病を作っています。


思考を止めるだけで良い

食べる前に「もし食べられなかったら?」と考える必要はまったくありませんよね。

「もし食べられなかったら?」と考えて 何か良い方向に変わるでしょうか?


もし本当に食べられなかった時は、それはそれ。残せばいい

もし本当に吐きそうになったら、吐けばいい


このご時世、「フードロスが!」とか「動物の命が!」とかいろんな意見があるのはわかっています。

それでもあえて言わせていただくと

俺にとっては俺の方が大事だ!!


これに尽きます。自己中心的かもしれませんが、事実です。


とにかく「〇〇だったらどうしよう」という 無駄な思考 を止めればいいんです。

自分の思考に気付いてください。

「あ、今〇〇だったらって考えたな。」

気付いた瞬間にその思考は力を失います。

あ、今〇〇だったらどうしようって考えてたな。

気付いたら「起きてもいない事を考えちゃって。ハハ、おバカさん。」ってなります。


会食中に本当に喋れなくなったなら、喋らなければいいだけです。

あなたが喋らない(喋れない)ことが申し訳ないような事なのかどうかは、相手が決めることです。


「私が喋らないせいで相手は多分つまらないに違いない。申し訳ない。」


あなたが相手の気持ちを決めつけることの方が申し訳ないことじゃないでしょうか。

「なんで喋らないの!?」って言ってくる人、そんなにいないんじゃないでしょうか。


多分会食恐怖症になる人は、周囲に気を使いすぎるんだと思います。

楽しくしなきゃとか、全部食べなきゃとか、色々事前に背負ってしまう繊細な人なんじゃないでしょうか。

おそらくみなさん身体は健康ですよね。食事の時だけ なぜかどうにかなってしまう


断言しましょう。

あなたが場を盛り上げる必要はありません。

あなたが全部食べる必要はありません。


あなたはそのままのあなたで、ただ味に集中すればいいんです。


味に集中して美味しかったら、「美味しいね!」

もうお腹いっぱいだったら「ちょっと食べない?」


会食って、本来はそれだけでいいんじゃないでしょうか。

味を楽しむ

コロナ禍の昨今では、会食の機会はめっきり減ったと思います。

今のうちに自宅でリハビリするといいんじゃないでしょうか。

ご飯を口にしたら、目をつぶって味に集中する。


美味しいなぁ

スパイスが良いのかなぁ?


会食中でも変わりません。

いっそ目を閉じちゃってください。


美味しいなぁ

自分じゃ作れないなぁすごいなぁ


目を開けて、相手を見て「あ、いたんだ」くらいでいいんです。(ちょっと失礼ですね)

それくらいドライに生きましょう。

上の画像のようにわざとらしく目をつぶって頬張りながら「んーっ!」ってやってみてください。

なんだか美味しく感じますよ。


美味しい!という気持ちの隙間に恐怖が入り込むことはできません



おわりに

会食恐怖のお話をしました。

私は会食恐怖に加えて嘔吐恐怖、パニック障害、社会不安障害、心因性頻尿などいろいろと患っている

と、思っていました。

思うのを辞めました。治ったんじゃないでしょうか?いや、最初から無かったんじゃないでしょうか。


結局は考え方ひとつなんですよきっと。

ぜーんぶ 未来の不安を『』考えて考えた結果という幻に襲われてもがいている。

それだけのこと。

今という瞬間 のなんともったいない使い方でしょうか。


長年の思考のクセは一朝一夕では変化しないかもしれません。

ゆっくりゆっくり進んでいきましょう。


会食恐怖症という存在を知らなかった方、ぜひ頭の片隅に入れておいていただきたいです。

こういう人もいるんだなと。

特に何をしてくれとは言いません。


私のパートナーは私が発作を起こしても決して責めませんし、静かに見守ってくれます。

お店がつらい時は外で一緒に食べてくれます。(お店の空気が苦手だったので、とても嬉しかった)

私は幸せものです。


みなさんも良き理解者とともに一日も早く克服できることを祈っています。


【2022/09/10 追記】

改めて会食恐怖の原因に関する記事を書きました。

よろしければあわせてどうぞ!



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