ネガティビティバイアスとは何者か?そしてなぜ存在するのか?
みなさんこんにちは。最近は心理学にも興味を持ち始めました、まじな(@majilog147)です。
先日公開したネガティブなニュースに流されず中立でいると楽だよというお話の中で
ネガティビティバイアス についてほんの少し触れましたが、パニック障害持ちの私としてはなかなか興味深い概念だったので改めてまとめることとしました。
ネガティビティバイアスとはなんなのか。なぜ存在するのか。
そういったテーマの記事です。
さあ、どうぞご覧ください。
ネガティビティバイアスとは?
ネガティビティバイアスとは
人間はポジティブな情報よりネガティブな情報の影響を強く受けやすいということをあらわした心理学用語です。
例えば上司に勤怠の良さを褒められても、そのあとに営業成績の悪さについて怒られたら気分は悪くなりますし、怒られた事をしばらく引きずりますよね?
褒められたことなんて一瞬で忘れてしまいます。
残るのは上司への反発と無力な自分への悔しさだけと。こうなるわけです。
なぜネガティビティバイアスは存在するのか?
ネガティブな情報が記憶に残りやすいなんて、生きにくくて仕方ないですよね。
常に前向きに考えて元気でいたいのに一体どうして…
ネガティビティバイアスさえなければ人生楽なのに!
なんでこんなもんあるんや!
そう思いませんか?
でもこれは遥か昔、原始時代において必須の性質だったんです。
時代を超えて脈々と受け継がれてきた、いわば人間の本能なのです。
原始時代では「生存が第一」
原始時代は現代とは比べ物にならないほど生命の危機が身近にありました。
- 野生動物にいつ捕食されるかわからない
- 気候によっては食べ物が実らない
- 知らないものに触れたら怪我をするかもしれない
- 他部族に出会えば襲われるかもしれない
- 味方であっても仲が悪くなれば争いになるかもしれない
命に関わる可能性にあふれた世界です。
より多くネガティブ(=危険)な情報を察知し、記憶できた者が生存できる時代。
例えば、
『ここには美味しい果実が実るが、過去に危険な生物に遭遇した』
美味しい果実の情報よりも危険な生物がいるかも?という情報のほうが重要ですよね。
このような本能的なリスク回避思考が現代人にも備わっているわけです。
成功率70%の手術
話を現代に戻しましょう。
ニューヨーク大学の社会心理学者 Alison Ledgerwood氏が面白い実験をしているのでご紹介します。
まず被験者たちをグループAとグループBに分けます。
そして成功率70%の手術を受けるかどうかをそれぞれのグループに尋ねるというものです。
(成功率70%ということは失敗率は30%です。これは間違いないですね。)
グループAにはまず「成功率70%の手術です」と伝えます。被験者は手術に肯定的でした。
そのあとに「失敗率は30%ですよ」と確認させます。被験者はこれを聞いて手術に否定的になりました。
グループBにはまず「失敗率30%の手術です」と伝えます。被験者は手術に否定的でした。
そのあとに「成功率は70%ですよ」と確認させます。それを聞いても被験者は手術には否定的なままでした。
人は本質的に同じ事柄でも、一度ネガティブな印象を抱くと意見を変えようとしなくなるという結果です。
このことからネガティブな情報はポジティブな情報よりも強く、そして記憶に残りやすく、選択もしやすいということがわかりますね。
まとめ:いい点も悪い点もある
ネガティビティバイアスとはなにか、そしてなぜ存在しているのかというお話でした。
現代の、特に先進国においては野生動物に捕食される可能性も天候によって食べものに困る可能性も非常に低いものとなっています。
したがって必要もないのにひたすらネガティブなことを考えがちな自分が嫌になることもあるかもしれませんが、
- 例えば起業のリスクを考えて慎重な選択をするとか。
- 例えば詐欺を疑って怪しい話に乗らないとか。
原始時代とは違う形で現代でも役に立っている本能なのです。
見知らぬ人に「100万エン アゲマス クレジットカード 番号 オセーテ」
って言われてホイホイ教える人は稀でしょう。
こんな単純な詐欺に対しても、無意識の奥底ではネガティビティバイアスがしっかりと働いているんです。
パニック障害など精神的に参っている時はこのバイアスが暴走していたりするんですが、それはまた次の機会にお話します。
あなたの学びの一助になれば幸いです。
参考文献
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いかに我々が負のフィルターをかけて現実を見ているかがわかります。
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